
現代生活の考察第四回森田真生 | Column

僕たちは個人として生きています。個人という入り口を通してしか、大きな自分を表現することはできない。あくまで小さな「個」でしかない僕たちは、完全に「永遠」と一致することはない。それでも、日常のそれぞれの瞬間が、本当に「一度きり」だと自覚するとき、僕たちは限りなく永遠に接近することができるのだと思うのです。
細倉真弓 • 現代生活の考察第四回森田真生 | Column
矛盾とは、「AとnotAが同時に成り立つ」ということです。合理性を重視する近代的な思考は、基本的には矛盾を排除しようとします。しかし、生命というものを考えてみると、誰もが常に、自分でないものと混ざり合っている。自己同一性の手前に矛盾があるのが生命なのです。